夕闇/漣 風華
 
盛況過ぎて
やんわりと羽根を下ろす刻

語り部達が静かに
酒宴に集まる刻

風の香に君想い
星の下雲に優しさ
月が紅潮する淡さ
選んだ夜道

恋人達が求め合う
過ちを飼い慣らして

見えなくなってゆく公園で二人
手を繋いで確かめ合った
誰に何を伝える為に生きてゆくのか
欠落した安堵を与え合った


弱さが安らぎを
曲がり雲揺らした刻

吟遊詩人達が路地で
白い息隠して眠る刻

時計遊び
寂しさに溺れる
体温だけが赦された
溢れ出した願い

触れ合った瞬間
ざわめきだした亀裂

誰にも見えない部屋で二人
見つめて眠りに就いた

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