「名」馬列伝(14) メジロアルダン/角田寿星
リアルタイムで彼の走りを観てきた者にとっては、彼がこの列伝に登場するのは到底信じられない思いだろう。
だが彼も間違いなく、時代の影の中に消えた名馬であった。
G1の勲章を手にすることなく…
黒鹿毛の風格ある大柄な馬体。大器と噂された。
歴史的名牝、メジロラモーヌの弟という血統の魅力が、それに倍加された。
実は彼は、双子として生を授かった。が、片方の兄弟は死産。
似たような境遇の活躍馬にダービー馬のアドマイヤベガがいる。
一般に、双子の馬は走らないとされている。胎内での栄養が行き渡らないため、と言われている。
もし兄弟が死産でなかったなら、のちの彼の活躍は、夢まぼろしと消えていた
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