「名」馬列伝(16) サイコーキララ/角田寿星
桜花賞までの彼女を知る者にとっては、寂しすぎる引退であった。競馬では毎年のようによくあること、ではあるのだが。
その後の石山騎手であるが、結局彼女の4歳牝特が、最初で最後の平地重賞勝ちとなった。
彼が主戦騎手になってから、師匠の濱田厩舎が深刻なスランプに陥る。G1レースをいくつも勝った厩舎が、2004年には、ついに0勝。
しかも石山が主戦を降りてから調子が再び上向きはじめるという、皮肉な結果。
乗り鞍もどんどん減っていき、石山は次第に障害レースに活躍の場を見出すようになる。
2005年、フミノトキメキで小倉SJを制覇。二つめの重賞勝ち。障害ジョッキーとしての活路を、自ら切り開き
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