面接(13)/虹村 凌
 
方から前に回ってくる。しばらくは女のさせたいようにさせてしまったが、どこか遠くの方で、何かが折れる音がした。
 俺は寝返りを打ち、女と向き合う。
「やっとこっち向いた」
「…バカヤロウ。今でも…」
「今でも?」
「…」
 俺は貪るように口付けると、後は、溶けた絵の具みたいに滲んで一色になってしまうだけだった。頭の中がガンガンしている。色々と脳内で警報機みたいなのが鳴っている。自分が何をしているのかよくわならない、と言うのが最大限、客観的に自分を見た結果だ。とにかく、俺は彼女を犯した事実だけは曲げられない。何かがたまっていた訳でも、なんでもない。彼女の腹部に飛び散った俺を自分でふき取りながら、ようやく世界の配色が元通りになるような感覚に陥った。
「危ないなぁ、もう」
「…」
「さすがに最後はゴムつけると思ったけど」
「ごめん…」
 俺はウェットティッシュを渡すと、立ち上がって煙草に火をつけた。
   グループ"面接"
   Point(1)