面接(16)/虹村 凌
 
る」
「何に?」
「色んな感覚。楽しいとか、嬉しいとか、淋しい、とか悲しい、とか」
「いつも?」
「うん、殆どいつも」
「あの時も?」
「君の前で泣いた時?」
「うん」
「あの時は、半分本当で、半分嘘かな」
「どういう事?」
「嬉しかったのは本当。でも、嬉しくて泣いたんじゃなくて、泣いたら楽になるとか、ドラマっぽいとか、そういう事考えてたのも本当」
「…」
「でも、それだけで泣いたんじゃない。嬉しかったのも、本当に、本当なんだ」
「今は、何で泣いてるの?」
「嬉しいのと、あり難いのと、悲しいのと、申し訳ないので、泣いてる」
「それだけ?」
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