面接(2)/虹村 凌
 
て、セブンスターに火をつけた。申し訳ない、彼女の事を、一瞬の間、忘れていた。
 彼女は後から出てくると、財布を出して
「幾らでしたか?」
 と訪ねてきた。
「500円です」
 嘘だ。ただ、払い易いように、幾らか差し引いただけだ。オゴるのも何か違う気がするし、あまり細かい割り勘も俺のポリシーじゃない。そもそも、そんなおごるような余裕は無い。それが一番の理由かも知れん、と500円玉を受け取って、財布に仕舞いこむ瞬間に見た、俺の財布の薄さを見て心の中で呟いた。
   グループ"面接"
   Point(2)