面接(7)/虹村 凌
 
「消えやしねぇよ。俺は一生、俺の傍にいるぜ」
「おい」
「…」
 返事は無かった。浴槽から身を乗り出して覗いたが、そこには誰もいなかったし、誰かがいた気配も無かった。
「クソッ」
 俺は再び浴槽に座り、今度は頭の先までお湯の中に浸かった。
「ぶぐがぼがぼが」
 口から、大量の気泡が溢れ出る。目を閉じて、真っ暗な世界の中に閉じこもる。どこからかわからないけど、何色かもわからない光が点滅しているのが見えた。見えた、と言うのは間違いで、感じ取れたというのが正解なんだろうが、とにかく、そう見えた。
「まだ話し足りないのか?」
 再び、俺の声が聞こえた。
   グループ"面接"
   Point(1)