面接(18)/虹村 凌
。確か、俺の祖父もここに眠っている気がする。ただ、莫大な借金に塗れて、墓も立てられずに、集合墓地のどこかに眠っている。
それに対して、女は端の方の一区画に、きちんと眠っている。随分、久し振りな気がした。事務所の前でマルボロライトを買って、桶に水を汲み、再び女の墓石の前に立った。マルボロライトを口に咥え、火をつけえから、女の墓石に水をかけて、表面を少し磨いた。マルボロライトを線香立てに備えて、俺はセブンスターに火をつけた。吸い終わるまで、しばらくじっと墓石を見つめていた。水に反射した光がキラキラと輝いている。
そろそろ出ようかと、俺はセブンスターをマルボロライトの隣に刺して、俺はその区画
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