(仮題のままの数編と決定された一編)ある都へ ?/非在の虹
ため息も聞こえず
足音も途絶えた
この都には夜しかない
都 命を包んで静まる場所
がない 女や男はうごめき
悲しむ
私は伝えなければならないだろう
これは悲劇的なことだ
私が知る上で最も悲劇的な
「僕の夜が始まっている
失望というには あまりに
急速な夜だ 僕には
冷たい手しか残っていない」
この都には夜しかない
足音も途絶えた
ため息も聞こえず
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