ことばのさんすう・1/れつら
全日本人が真っ先に学ぶ演算だろう。
「ひとつ」と、「ひとつ」。これで、「ふたつ」。
実に明瞭である。しかし、「ふたつ」とは本当に、「ひとつ」と「ひとつ」が合わさったものなのだろうか?「ふたつ」は、ひとつの単語である。この意味では、1と1を演算した結果、別の意味を持つ1が生成される。今回の文章の主眼は数学ではないので、こう言いきってしまっても問題はあるまい。
また別の操作を考える。
「ひとつ」と、「ひとつ」。
これを直接、連結する。すると、「ひとつひとつ」という慣用表現が出来上がる。
「ひとつひとつ」は、2だろうか?いや、そうではない。「ひとつひとつ」は、ひとつの単語(あ
[次のページ]
前 次 グループ"ことばのさんすう草稿集"
編 削 Point(1)