ことばのさんすう・1・1/れつら
 
に、詩は1を孕むということを考慮に入れるならば、改行を挟んで真横に置かれた「気持」と「林檎」がいかに結ばれているか、ということがこの詩の最大の跳躍であると考えられる。

「気持」に至るまでの、それにかかる大きさの描写。
「林檎」にはじまる、それの置かれた状態の描写。

前者はその大きさを示し、「気持」の範囲を限定できない点で、拡散的である。対して後者は「日あたり」という環境に遊ぶ一個の転がりとして、全体の中の点を示す。


さて、ここで「気持」が事物であるか、である。
言うまでもなく「気持」は五感で感知し得ないものであり、語弊を恐れず言うならば、それは即ち概念である(シュレディン
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