03:野良猫たち/chick
ある日曜日の午後、私は同期のあさぎちゃんとカフェでお茶を飲んでいた。
「今日は付き合ってくれてありがとうね」
大木を縦半分に切っただけのようなテーブルをはさんであさぎちゃんがそう言った。
さっきまでお昼ごはんを食べに、ビュッフェをしているホテルにいた。あさぎちゃんが雑誌で見つけたらしく、紹介されているだけのことはあって味も値段も文句のつけようがなかった。
「久美ちゃんが食べるの好きな人でよかったー」
あさぎちゃんはよくしゃべってよく笑う。私とはまったく違うタイプだ。その性格から友達は多いはずなのに、あさぎちゃんはよく私を誘う。あさぎちゃんに好かれて嬉しいのも事実だが、驚いているの
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