ブラジルサントスの珈琲は/佐々宝砂
ブラジルサントスの珈琲は飲む人の注意力を増し
キリマンジャロだかブルマンだかは飲む人をリラックスさせるのだそうで
でもそんなことどうでもいいなカフェインが欲しいだけだよと
夜九時半の駅前ローソンで眠眠打破を買い
慢性寝不足のねぼけまなこが煙草くわえて送迎バスを待つ
仕事があるだけましだ
日雇いだけれど
明日の仕事がなんなのかすらわからないけれど
なにはともあれ今夜は夜勤で
一日に一万円ちょい稼げる予定
無駄な知識 無駄な肌の美しさ 無駄な大声 無駄な脚韻に頭韻
私というかなりどうでもいい人間に属する
どうでもいい無駄ななんやかや と
もしかしたら無駄ではないかもし
[次のページ]
前 次 グループ"労働歌(ルクセンブルクの薔薇詩編)"
編 削 Point(4)