投身/
伊月りさ
に大地を撃ち抜くだろうから
両親を抱きしめてきなさい
恋人を抱きしめてきなさい
贅を尽くした食卓を用意しなさい
そう告げながら掲げる
わたしの愛は冷静である
光る、夕陽を受けた暴言の刃先
墜ちる先に
貫かれても構わないのだ、と
微笑んだのは
きみの為なわけないだろう
わたしは雲を千切りたかった
この花弁に触れた者がみな同じ道を辿ればいい、と
ここまできて卑屈なわたしという人間さようなら
さようならさようならさような
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