黒頭巾ちゃんがメヌエットを弾いた日/チアーヌ
頭巾ちゃんの背後で、誰かが、とても静かに踊っている気配がしたのでした。
(黒い神様かもしれない)
と、黒頭巾ちゃんは思いました。
(愛しています。愛しています。愛しています。愛しています)
黒頭巾ちゃんは何度も何度もそう思いました。
黒頭巾ちゃんの背後で、静かな踊りは続けられていました。
そして黒頭巾ちゃんはどうしても、振り向くことができないのでした。
黒頭巾ちゃんはその日、ぽたぽたと涙を流しながら、腕が動かなくなるまで、メヌエットを弾き続けていました。
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