曇天の午後 / いつものイタリアンレストランで/beebee
 


今日はまた曇天の気持ちが
重たくぼくを暗くする
通りを走り過ぎる自転車の少女も
手を繋いで歩いている老夫婦も
みんな静かな見えない時を歩いている
雨がやって来れば良いのに
蒸し暑い午後の空気をかき消すような雨よ
ざあっとやって来いよ
野球帽を被った少年が
思わず帽子を被り直すように
雑誌を片手に歩いているOLが
思わず雑誌を頭の上にかざすように

ざあっとやって来いよ 雨よ
ざあっとやって来い

《遅めの昼食のレストラン
 前菜もメインも終わってすっきりと
 デザートとコーヒーを食べたいよ(笑》
  *作品としては、はずして読んでね

鈍色のコンクリートのマンション群は
通りの並木道がラインを引き
イタリアンレストランの窓のサッシが
曇天を支えている
支えきれずこぼれ落ちで来るのが雫なら
ざあっと一人で浴びてもいいかな
夏の雨
   グループ"いつものイタリアンレストラン"
   Point(8)