六角の箱庭/
木屋 亞万
たんだ」
祖父は倒れたシーダの一部を切り
その木材で小さなシーダを彫った
底の部分に穴を作り、鉛筆の後ろの消しゴムの部分に
指人形のように差し込んだ
「小さなシーダもやっぱり小さな庭に住むんだね」と
小さな鉛筆の庭を見ながら私は笑った
今でも我が家の庭には
シーダの切り株が大切に残されている
そしてシーダはデスクの隅で
六角形の箱庭から私のことを
ずっと見守ってくれている
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