目病(メシ)いの口上/beebee
 


かつて私の心は安らぎを知らず、
盲目の内に両手は前を探っていた。
手は悴(カジカ)み、
指先は熱い火傷を負い、
心は暗い深淵の内に浸かっていた。

訳も知らず、
知ろうともせず、
かつて
私は手段を持たず、
何ものかに向かっていたのだ。

それは何なのか、
今私の目に朧に見えている。

中世の剣を帯びし幸せ者を
私は夢見て来た。
それとも
投げ出された小銭にむしゃぶりつく乞食詩人へと。
心は解き放たれ、
快楽の内に眠りたいと。

ああ、しかし
それは夢なのだ。
手段こそが望ましい、
心は飢えているのだ。

語り出す言葉を、
織り綾なすリズムを、
伝え得る自分の全てを尽くして、
手段こそが望ましい。

ああ
心は飢えているのだ。
   グループ"新・純情詩集"
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