雲南の踊り子/beebee
私のテレビは
真空管から宇宙へと通じている。
だから赤と青と黄色の虹が
画面から青空へ架かっている。
そこでは
虚像こそが実体を有し、
存在するものが虚無なのだ。
天衣無縫に踊る
雲南の少女よ、
おまえの赤い髪飾りは
虹に架かっている。
手を叩き
足を踏む老人よ、
おまえの影は
地の底の底の暗い闇へと
続いている。
そしてその二人の中間に
頭を項垂れた若者の顔が
貼り付いている。
その涙は
青白い原初の地平線に
露を与えるのだ。
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