9時5分/1486 106
 
いつものように社宅を出ようとしたら 
隣の部屋から唸り声が聞こえてきた 
心配になって訪ねてみると 
同期の知り合いが中にいた 
なんでも課題が終わっていないらしい 
しかし見てみると三十分もあれば 
9時の始業に間に合いそうだったので 
手伝ってあげることにした 
予定の時刻を少し過ぎたけど 
遅刻ということにして誤魔化そうと思った 
あと一行埋めれば終わるってとこで 
強くドアを叩く音がした 
外からは主任から社長まで 
さまざまな重役の声が聞こえた 
あと一行埋めてから出ていこう 
そう思って同期の方を見てみると 
頭を抱えて塞ぎ込んでいた 
みんなが入る前に終わらせるんだ 
そこはお前が書かないとダメなんだ 
塞いでないであと一行埋めろよ! 
さぁ、早くしろよ!早く! 
結局合鍵でドアを開けられ 
課題が終わっていないことがバレた 
同期はどこかへ連れていかれた 
僕は巻き添えでボコボコに殴られた
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