世紀末デパート/1486 106
み上がり天を目指す亀の群れ
それはやがて訪れる前兆でしかなかった
銀河中の星が見えるほど晴れ渡った夜
テレビで見たような白く輝く円盤が
僕達のちょうど頭上にやって来た
誰かが言った
「世紀末に恐怖の大王襲来ってか」
円盤は生け贄を探しているのか
何度も質問を投げ掛けてきた
僕達はトラックの下に隠れながら
誰かが名乗り出るのを待っていた
不意に隣にいた男性が
手を挙げて円盤の前に出ていった
彼は光に包まれて消えていった
それでも円盤は質問を止めない
誰かが言った
「とにかく今は逃げ延びるんだ
反撃の機会が訪れるかもしれない」
僕は親友と話し合った
「どうせ世界が滅びるなら怖くないよね?」
「うん。」
そして僕は親友と手を繋ぎ
円盤の下に出ていった
二人は光に吸い込まれていった
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