創書日和【鳥】 記憶の鳥/大村 浩一
 

飛び立つ後ろ姿を
どこかで見た
 


の記述を
探して


黒く浮かぶ
記憶の島を探し
脳内を辿ってゆく



ほの明るい
Cellの海の
上空に浮かび
進んでいく
ふたつの形を
はばたくように
反復しながら


行方に
島が現れると
鳥はその周りを巡る
すると島も蠢いて
反応する


不意に鳥が降下し
島に飛び込む


黒い樹々の枝
と見えていたものが
ざわめき
みるみる
膨れあがり

覚えていたものに
形を変えていく
遺跡


海草

いいえ
巨大な鳥


何度か激しくはばた
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