絵/アンテ
 
る缶をバッグから出して
手渡してくれた
振ると
確かな手ごたえがする
黒猫の名前
と言いかけた言葉を呑み込む
窓枠のねじが
一本欠けている

「いやねえ、思い出し笑いって」

スケッチブックの入ったかばんを
しっかりと抱きしめる
景色が流れていく



                          連詩 観覧車



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