鬼の踊り/板谷みきょう
 
作り物の三味線で薄ぺらだな じょんがら節を叩き奏でる
あばらの浮き出た痩せぎすの 体から赤い褌 いのちの証

飛び跳ねる のた打ち回り くるくるくるくるくる狂う
縮こまる 這いずり回り どろどろおどろおどろ踊ろ

生き死に まやかし 誤魔化し 脅かし
鬼蛇 鬼蛇 鬼蛇 鬼蛇 幻の鬼踊り
鬼蛇 鬼蛇 鬼蛇 鬼蛇 幻の鬼踊る

尖った先が散らばって 見ている辺りに 地獄絵巻拡がる
ガラス細工の両膝で 問い掛ける 迸るいのちの暮らし
境界線の内と外 別けた中 言葉の要らない体がうねる
憤りも笑い悲しみも 喜びも 日常を破り犯してく

飛び跳ねる のた打ち回り くるくるくるく
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