イエノウミ/
chitoku
ともかせぎ稼ぎに差の出る年末の父の言い分母の言い分
食卓にずらりと並んだご馳走に目もくれず寝る父のプライド
噛み付けば噛み付くほどに腹の立つ「息子」と「子供」を別にせぬ母
二十年触れず語らぬ父母よ新婚当時を今に教えよ
父母のどちらか選べと詰め寄られギャア泣きするもさらに詰め寄る
ただひとつかなえることが出来るなら夢にさえ見ぬ一家団欒
恋人も職も住家も手に入れて家族の者に後ろめたくて
死ぬほどに過去を悔やんで叫んでも母の不幸よ父の悲劇よ
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