紅茶と心中/キセル
昼に起き曇った空に影送りをする
君は散歩といってパチンコに出かける
お土産はいつも通りのチョコとタバコと紅茶
近所の99で買ったほうが安いし早いのに
彼は早速紅茶を淹れる
猫舌の君は淹れてから飲むまでが長い
チョコが甘いから紅茶は渋い方がいいんだと君はいい
牛乳も砂糖も入れずに紅茶を飲む
紅茶の味なんてわからないだろう
紅茶を飲む前にタバコを吸って冷めるのを待っていた君に
お土産を持ってくるから待っててと言い残し
君は今日も散歩といって出かけていった
冷蔵庫にメモが張ってあった
『紅茶の味が知りたくなった』
君の残りを飲んでいた私は
それきり紅茶を飲んでいない
こんな冷たいただの葉っぱから
何でこんなに渋い匂いがする
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