深呼吸して聞こえるもの/キセル
 
君はずるくって
のしを付けて返さなきゃいけないのを
痛みとともに我慢していると
みるみるうちに傷は深くなる

分かっていた
けれど 君に伝わっていないと
てをにぎることさえ
欲っすることはできなかったんだ
しょせんは他人だ と言われ
いっぱいだった持ち物は なにも

同じ世界には住んでいないのだろう
情報を求め 駆け
じゃあ と君は言い
やはり パレットから零れ
決別は出会いの始まりだな
しょせんは一つの色の上だな と言うかの如く
ての汗を拭いた
なみだをぬぐいつつ
いきを大きく吸い込むと 聞こえて


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