妻とひと日を・・・・・/生田 稔
が歌々は痛々しくあり
しきり雨降る土曜日の公子と来た博物館
夕刻の薄暮の市外灯り明滅し食事する
枯れ葦が高くさえぎり見えぬ湖空青くして雲漂えり
色づきし葉のちらほらと残る木の絵をかきたしと朝湖に来て
静かなりヘリの爆音湖のもに響きて朝の光さす
琵琶湖には水泳場数々あり新唐崎は冬の静けさ
人知れず労苦して一日がすぐ夜の寝床さわやか主の祈り
カツどん屋ともに食事をとりし日に髪をほむれば微笑める妻
目が醒めて朝のしじまの冷たさにショパンの曲をつつしみて聴く
野鴨5羽連れだちてゆく夕陽は沈み静かなる湖の面に
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