ばかだなぁ/プル式
 
夜中に遊園地に忍び込んだら
観覧車の箱はすっかり片付けられていた
仕方がないのでその骨を登って
遠くに浮かんだ月を見た
丁度あの下辺りだろうか
君の住む町は

風がえらく強い日で僕は
飛んで君に会いに行けるんじゃないか
なんて考えた
昔っから風の強い日は両手を拡げ
飛ぶ練習をしてたから

とぅっと蹴り出すと
信じられない程月が近付き
遠くの町明かりがきらきらした
手を延ばせば届きそうだった

僕は朝靄の中
誰もいない遊園地で寝転んでいる
別段寒くも無いが暖かくもなく
空は明るいのに君の声は聞こえない
君は今頃どうしているのだろうか
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