動かない石/ぽえむ君
 
どこにでもありそうな道端に
どこにでもありそうな大きな石が一つ
座っていた

ある人は
何の関心も示さずに通り過ぎていった

ある人は
怒りを感じて棒で叩いた

ある人は
その美しさに涙した

石は動かなかった

ある人は
持ち運ぼうとして必死になった

ある人は
水を流して綺麗にしてあげた

ある人は
畏怖の念をもって拝んだ

石は動かなかった

その石自体は何も変わらなかった
しかし
見る人の心の中には
それぞれ変わっていった
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