月夜/LEO
 
一月ついたち

凛として
鈴の音が
聞こえてきそうな
夜でした

まっすぐのびるこの道も
ざわとも動かぬ杉の木立も
風の止んだ雪の原も
すべてに
群青いろの絵の具を
とかして撒いたのは
雲の波間に
朧気な
月あかりの仕業

蒼い冷気は
頬を研ぎ
髪を磨ぎ
懐までも
忍び込んで
私もまた
その色の一部に紛れて

ほら
耳元で
 りーん、と
鈴の音
戻る   Point(29)