発表会のお知らせ/キセル
 
三箇日のある昼下がり
暖かい日差しの中
僕の手にはシャガールと木の葉
少し離れたマンションから
きらきら星が聞こえる
毎年テレビの笑い声でうるさい隣の家が
今年は何故かいない
ポカポカ陽気にきらきら星

だんだん音が大きくなっていると思っていたら
目の前に幼稚園ぐらいの女の子がふわりと座っていた
「きらきらぼしはあたしがふいているの」
「ここにいるのにかい」
「だってえんそうしているのはピアニカさんだもの」
「きみはそれをふいていないじゃない」
「ふいているわよ。ほら、ふぅ、ふぅ」
「ほんとうだ。はっぴょうかいでもあるのかい」
「うん、あしたなの。みにきたい?」
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