■批評祭参加作品■ Poor little Joan!または視点についての雑感/佐々宝砂
『春にして君を離れ』
http://www.amazon.co.jp/dp/4151300813/gendaishiforu-22/
シェイクスピアのソネットからそのタイトルをとったこの小説は、ミステリの女王アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた一冊。ある意味ロマンスでもある。ミステリではないから誰も殺されない。何も盗まれない。しかしここには地獄がある、とこの本を読み終えた十八歳の私は考えた。まるで他人事のように。
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ミステリやホラーの叙述法は、ある程度分類され研究が確立している。ミステリの場合、かつては、謎の焦点が、
フーダニット (Whodu
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