不寝番?みずの瞑り デッサン/前田ふむふむ
1
夥しいひかりを散りばめた空が、
みずみずしく、墜落する光景をなぞりながら、
わたしは、雛鳥のような足裏に刻まれた、
震える心臓の記憶を、柩のなかから眺めている。
(越冬する詩の地図)が貼り出される。
凍る散文の風が舞う、骨を纏う森が、
黒いひかりの陰影に晒されて、
寒々とした裸体を、横たえている。
燃えるように死んでいるのだ。
薫りだす過去を、見つめようとして。
夜が、冠を高々と掲げて、
訃報のときに躓いた白鳥は、枯れた掌の温もりを、
抱えて、忌まわしい傷口を、開いてゆく。
こわれた声で鳴きながら。
(感傷旅行)に浸
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