三つの弦の物語/アマル・シャタカ
 
人生には三つの弦があるという
理想と現実と失望と
それらをかき鳴らした音色が
夢と呼ばれるものであると
ある人は言う

理想を天とし
現実を地とし
失望を人とするならば
この世界に諦めをもたらすのは
人の思い込みだと
別の人は言う

三つの弦を爪弾いて
聴いてくれる相手のために
高らかにうたい上げるのが恋だというなら
相手がおらずとも
切々と声を震わせながら
三つの弦が切れるまで
雨にうたれ風にうたれ
それでも
人知れずうたうものを私は愛と呼ぼう

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