詩に飽きたとき/渦巻二三五
 
 自分はもう詩歌の読み書きに飽きたんじゃないかと思う時期が繰り返しやってきます。何を読んでもおもしろくない、たのしめない、ある詩に幾人もの人が賛辞を送っているのを見てもそらぞらしく感じてしまう。
 そんなときでもなんとなく詩歌に触れていると、「あっ」と思う作品に出会うことがあって、それで私はまた詩歌の読み書きに取り組んでみたりするのです。飽きたかのような私をぐいと引き留める詩。ああ私はまだ詩が読める、私は詩を読みたいと思っているのだ、と思わせてくれる詩。

 短い詩が読みたいです。
 短くて末広がりの詩。書かれた言葉が、書かれなかったその先の道標となるような詩。
 書く者の胸の内で決着がついていることなら、詩にすることはないんじゃないか、と思うから、思ってしまうから。





          
二〇〇三年六月二六日


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