息の降る、/A道化
音も無く
特別な体温は過ぎ
今は、ここは
「ふゆ、」
という
息と
(さよなら、)
という
息と
*
ただの息
と化す。
その静けさで夜が
小さく、しん、と白む
ここは秘密なんかじゃないのに
秘密なんかじゃないのに
しん、と
わたしだけの
「ふゆ、」という息と
(さよなら、)という息とが
小さく、しん、と白み
雪以上に明白な危険因子になり
しんしん、しんしん、痛みながら肺に降る
秘密なんかじゃないのに、ここは
ねえ、秘密なんかじゃないのに
*
音も無く特別な体温があったよ
だから、音も無く特別な体温は過ぎ
今は、ここは
「ふゆ、」
という
息と
(さよなら、)
という
息と
2006.12.27.
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