不安と絶望とおしるこ/カンチェルスキス
ボンネットの上で暮らしながら
おれは浮き輪の目立つ格好をしている
二酸化炭素が好きで
画鋲がきらいだった
クレヨンの先がつぶれて
壁にめりこんでゆく
おれを構成する部品の数は
わずか三つ
不安と絶望とおしるこ
セメントを流し込んでも
埋めきれない穴からは
はっさくの匂いがする
そこでサーカスのバイクが
横転したのだ
怪我をしたおれは
目だけ残して
包帯まみれになった
そしてバーボンの川を
またいで
煙りあがる火事のそばに
中坊の上履きで踏み込んだ
センテンスが
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