うしなう心、咲く桜/ロク
 
あまりに水ばかり垂れるので

くしゃくしゃに、こころ絞りました

春風に当てて乾かしたら

ふうわりと空へ逃げました

僕はことり、と胸が痛んで

こころの風船追いかけました

夢中で走っているうちに

いつの間にかぽっかり胸に穴

なにやら暖かいので 見てみると

ぎっしり桜が詰まってました

気づかぬうちに穴は埋まって

こころは もはや小さな点です

こころの代わりに桜を入れて

僕はそのまま帰ったのです



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