うしなう心、咲く桜/
ロク
あまりに水ばかり垂れるので
くしゃくしゃに、こころ絞りました
春風に当てて乾かしたら
ふうわりと空へ逃げました
僕はことり、と胸が痛んで
こころの風船追いかけました
夢中で走っているうちに
いつの間にかぽっかり胸に穴
なにやら暖かいので 見てみると
ぎっしり桜が詰まってました
気づかぬうちに穴は埋まって
こころは もはや小さな点です
こころの代わりに桜を入れて
僕はそのまま帰ったのです
戻る
編
削
Point
(3)