「 名探偵は、きみか?。 」/PULL.
。
骨には文字が彫り込まれていた。
それは数の合わなかった、
上の句。
「ひとでなしよにんはしにんとよむなかれ。」
「つみしらずつもるるゆきにまもられし。」
DNA検査の結果。
胴体も腕も足も、
すべてが別人だった。
では一体誰が、
これだけの人を殺し、
死体を斬り刻んだのか。
一本の腕だけでひとりの死体、
ならば残りの部分はどこに。
腕一本足一本。
失えば、
人は死ぬのだろうか。
それでも、
それと引き替えに人を殺すのはけだものではなく人ひとごろし。
死体の増えぬ夜は、
なぜかとても不安になる。
犯人は眠る。
誰が犯人かではない誰が犯人になりたいかだ探偵くん。
了。
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