「 名探偵は、きみか?。 」/PULL.
 


骨には文字が彫り込まれていた。
それは数の合わなかった、
上の句。



「ひとでなしよにんはしにんとよむなかれ。」


「つみしらずつもるるゆきにまもられし。」






DNA検査の結果。
胴体も腕も足も、
すべてが別人だった。


では一体誰が、
これだけの人を殺し、
死体を斬り刻んだのか。

一本の腕だけでひとりの死体、
ならば残りの部分はどこに。

腕一本足一本。
失えば、
人は死ぬのだろうか。
それでも、




それと引き替えに人を殺すのはけだものではなく人ひとごろし。






死体の増えぬ夜は、
なぜかとても不安になる。





犯人は眠る。












誰が犯人かではない誰が犯人になりたいかだ探偵くん。












           了。


戻る   Point(6)