31才と13才/吉岡孝次
 
a1.
フローリングだけど、散らかっていて
もう誰も訪ねてこない。


b1.
こころに生き死になんてない。
目の前で


a2.
留守録を開くのを
躊躇ったら負けだ。
粘りけもないくせに若輩が

見も知らぬ声が。


b2.
あゝ そう云えば
外には世界があったんだ。
そこには人がいて
だからこの、牢窟を
さがし出し 日の光を差し延べてくれたことだって
不思議ではない。


a3.
うつむいた同性の値札を掻き分ける、書状は
ひっそりと青く・・・

「何だ、これ?」


b3.
カウンセリング、飽きたなあ。
そろそろ甘えたいんだけど
どうも、ね。


a4.
うわあ、コイツあたしそっくりだよ!
てゆうか
あたし天涯孤独じゃだめなのかしらん


b4.
はじめまして。


b5. & a5.
「いいトシしてクチャクチャ食べないの!」
「あたしの稼ぎなんだから、いちいち文句言わない!」


a6. & b6.
(つづく)

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