ハレルヤ/
大覚アキラ
世界はまるで
脱ぎ捨てられた下着のようだ
帰る場所も向かうべき場所もありやしない
ありとあらゆる暴力のすべてが過ぎ去ったあとの
見渡す限りの静謐の荒野を
美しい耳鳴りをBGMにしておれたちは歩いてゆく
掌には一枚の硬貨も一粒の穀物もない
そんな空っぽの手を繋いでおれたちは歩いてゆく
なんという輝かしい絶望
耳鳴りは永遠に止むことはない
悲しみよ降り注げ
何もかも埋め尽くしてしまうまで
戻る
編
削
Point
(4)