空に堕ちていく/まどろむ海月
 

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薄いスカーフのように
あなたの面影は
風にさらわれた
 私への叫びも残さずに


あんなにも抱きしめたかった
しなやかなシルエット 柔らかさ
 きめ細やかな白の匂ひの記憶さえ
 幻だというのに


あなたは遠く旅立ったはず
幸せの彼方に
 はず 幾たびも
 重ねた苦しい祈りに
 私は灰になってしまった


もう誰を恋する力も
残ってはいない
 いまも
 こんなにも
 せつないのに


あのとき地獄への
手をとれば
よかったのだろうか
 あの頃でさえ
 微塵もあなたに
 値しなかった私が


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