眠れ、泥のように/知風
 
見、聞き、嗅ぎ、触れ、味わえ
それがおまえの始まりだ

周りにあふれ輝くは
あるがゆえにのみ在るがもの

ならばなにゆえに
かくも美しく輝くのか

それはそれら万物を
見、聞き、嗅ぎ、触れ、味わう、


おまえの哀しき知ゆえなのだ


人は全て等しく泥濘より生まれ
泥濘へと帰る

陽に炙られれば乾いて砕ける
沼から出ること適わぬ身なれば

賢しき泥塊は陽を恐れ
仲間の陰で発酵し、

ただひたすらに泥を喰らい
泥を排泄することを嫌悪する


哀れ、美しき世を嫉妬む泥人形
おまえたちは偽装する

肺魚の住まう混沌の沼を
行列正しき花園か
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