悴んだ手/茉莉香
外に出ると鈍い光がまとわりついてきた
いつもの道を導かれるように歩くと
そこには自然に古い家が佇む
黄色と紅色に染まった蔦が揺れ、
冬に備えた小太りな雀が
私の身長よりも低い電線に
落ちそうになりながら揺れ
冷えた空気に私の手は
血液を失いかたまる
砂利の道はアスファルトに変わり
私の髪の長さは肩までになり
それでも
ここは変わらない
手が痛い 息を吹きかけると
周りは白く濁り
私はもうどこにいるかわからなくなる
蔦の葉が ヒラヒラと風に舞い
雀は いつの間にか羽ばたく
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