*革命家の最期*/知風
ママ・マーギィ・マァリーは
その日も揺り椅子で夢を見た
100を越えた年の春頃から
毎日のように見る夢
扉は三回ノックされ
あたしはベッドにいて
肩越しにのぞく黒服と
乾いた薪のはぜるような音
扉を開けたジョニーの
背中に開いたみっつの穴
右膝から崩れたその顔は
何かしかたがないと言った風で
いつも
そこで目が覚める
それはもう九十年も前の
街で一番悲しいおとぎ話
偉大なる革命家は
革命家として娼家で死んだ
その後大きな戦争があって
時代は新しくなった
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)