【短歌祭】シンビジウム・ホワイト・ラバー/ピッピ
ピッピだっけ?窓の隙間に北風がこぼれるような素敵な名前だ
なんで今日は羽根が開かないって、ああ、マイナスだらけの最低気温
君の目で体透かせば黒い部分のたくさん出来る季節がきたね
半年も使っていない扇風機が一瞬振り向いたような気がした
風殺す炬燵の向こうは死の季節どうぶつたちが死んでゆく季節
久しぶりに彼は笑った透明の吐息が白くなるだけのことで
ジオラマの無風の世界生ぬるい吐息送れば全てなくなる
今日よりも寒い日はないへたくそなハスキー・ヴォイス今だけゆるす
表面の凍った池の水中で魚は世界の氷河期を知る
はがされてきりきざまれて政治
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