羽根のある庭/
かぜきり
いる方は座っていた
椅子はそのままで
二人は
少し翼の方に目をやって
流れる空気は
そろそろ色を潰す色がさが滲んでいる
誰にでも届くこの色は
夜の終わりに届くこの色は
どれだけなのか
やがてぞろりとつれてきゆ
互いに互いをひきながら
翼だけがそのままに
よくある風景のこの校庭で
二脚の椅子の片方の
上空へと大きく広がった
この翼だけが
このままに
羽ばたきを続ている
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