月はいつでも/
快晴
誰も分かってくれないと
出来るだけ軽く呟いて
アスファルトに転がった
ビールの空き缶蹴り上げる
それは闇に吸い込まれ
遠くの方でカランと鳴いた
目を瞑(つむ)っても歩けてしまう
見飽きたいつもの家路を辿る
重く空気の沈んだ部屋に
早く帰りたいわけもなく
私を引き止める場所もなく
悪戯に描いた明日の絵を
ポケットの中で握り締め
誰も分かってくれないと
もう一度軽く闇に呟き
ふと視線を頭上に移せば
月はいつでも私を見ていた
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