『はなうた、吐息、包んだサナギ』/しめじ
はなうた
吐息
世界は雨
踏みつけられたコスモス
待ちくたびれた私は
晴れない心臓から時計を取り出して
秒針の音に耳を澄まします
(はなうたとして)
世界に降る雨は結局
胸の空洞には溜まらない
靴下が足りないなんて言い訳する
ウィスキーを飲み干して
扁桃腺の故障
はなうた
吐息
世界は雨
空に舞い上がることなく
雨に落とされたサナギは
枯れない情熱から道路に転がって
早落のひびに羽を濡らします
(吐息まじりに)
スケープゴートをください
断頭台に頭を乗せたまま
いつまでも星を眺めるロマン
ロ
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